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韓国ドラマを1話ずつレビュー!さらなる楽しみをシェアしましょう!

『だから俺はアンチと結婚した』第1話 一般人が超人気スターのアンチになるまで

 

 超人気スターと一般人の結婚はリアリティに欠けるが、超人気スターのせいで会社をクビになったら、そりゃアンチになるよなって話。

 

 『だから俺はアンチと結婚した』(全16話)はAmazon Prime Videoプライム会員向けに4月30日より、毎週金曜日と土曜日18時から1話ずつ配信。ドラマとウェブ漫画の企画が同時スタートし、LINE漫画でも作品を楽しむことができる。 

※以下ネタバレあり。

 

チェ・テジュンとフジュンは人気スター

 超人気ソロシンガーのフジュン役を演じるチェ・テジュンは、2001年に子役でドラマデビュー。芸能生活から一度離れたものの、高校生で再始動する。2014年には『母の庭園』(2014)でMBC演技大賞新人賞を受賞し、その後もアジアアーティストアワードニューウェーブ賞(2107)や『ミッシングナイン』(2017)でMBC演技大賞最優秀キャラクター賞などの受賞歴がある実力派。Netflixで配信中の『恋のトリセツ〜フンナムとジョンウムの恋愛日誌〜』(2018)では2番手の幼なじみを演じており、本作とは違うチェ・テジュンが楽しめる。

 物語の中でも、ビッグアーティストのフジュン。第1話では、彼に何かありそうな伏線だらけ。誕生日は偽っているし、母親と思われる人は一度も電話に出ないし、父親のことを探しているようだし、昔好きだった人は友達の彼女?になっている。何か辛い過去が隠されていそう。

 

いい子を演じたグニョンからの教訓

 雑誌社ワンダーウーマンで記者として働くイ・グニョンは、我らが少女時代のチェ・スヨンが演じる。『それでも僕らは走り続ける』(2020)でエージェント事務所の社長を演じ、カン・テオ演じた美術大生とのサブカップルが注目。最近は女優チェ・スヨンとしての活躍が目覚ましい。

 グニョンは必死に働くも、雑用係のポジションから抜け出せず、チーム長の“毒舌ムニ”から怒られる日々を過ごす。唯一の癒しが、吉沢亮を少し大人の紳士にしたような彼氏の存在。ある日、彼からカップルパーティーに誘われ、万全の準備と最高潮のテンションで彼のもとへ向かったグニョンだが、彼が男性と抱き合ってキスしているところに鉢合わせてしまう。

 彼の浮気現場を発見した時、自分だったらどんな反応をするだろう。その場から立ち去るのか、ビンタ一発喰らわせるなんてドラマの世界。グニョンは怒りをぶつける自分を想像するが、全く関係のない言葉しか出てこない。どんなに事前の準備しても、相手に100%伝えることは出来ないのに、突然の出来事にまともな行動をとれる方が異常なのかもしれない。

 追いかけてきた彼に、グニョンが感情的になると「君は我慢強いじゃないか、最後まで耐えてこそいい人だ」と言われる始末。いい子を演じ続けた結果、傷つくのは自分だとリトマス試験紙(女を好きになれるかもしれない実験台)にされたグニョンが教えてくれたので教訓にしたい。

 彼を喜ばせたくて買ったドレスとカバン、綺麗な彼女でいたくて行ったエステ。皮肉なことに、彼がプレゼントしてくれたヒールはサイズが合っていなかった。今日は悲劇のヒロインになって、泣きまくるしか発散方法が見つからない。そこに酒とつまみと話を聞いてくれる友達がいれば、とりあえずその日は乗り越えられる。その日だけでも......。

 

最悪な二人の出会い

 フジュンが参加するパーティーの取材に行くことになったグニョンは、元彼に貰ったサイズの合わないヒールを履き、彼のために買ったドレスを身に付けて登場する。彼の前で言いたいことも言えなかった彼女が、こうやって図太く強くなっていくのだから、失恋は無駄なものとは言えない。

 会場に着いたグニョンは、出来心でフジュンが乗る車に近づくと、急に車のドアが開く。すると、足元がおぼつかないグニョンはバランスを崩し、フジュンが腕を掴んで「大丈夫ですか?気づかなくて」と優しく声をかけた。ラブストーリーの始まりと匂わせるBGMが流れ、フジュンの第一印象は「いい人そう」で決まった。

 ところで、人気漫画『NANA』に出てくる幸子がわざと合わない靴を履いて好きな男の気を引いていたが、サイズの合わない靴は“気を引く”点で、大変有効らしい。

 さて、ラブストーリーが始まる匂わせは、どうやら違ったらしい。フジュンが元恋人と一緒にいる写真をグニョンに撮られたと勘違いすると、グニョンが持っていたカメラを投げ飛ばし壊してしまった。続いて、酔っ払っていたグニョンは我慢していた吐き気に耐えきれず、フジュンの足元でジ・エンド。

 一応は謝まるグニョンに対し、全く謝まる気のないフジュン。その態度に耐えて耐えてついに爆発したグニョンに「どうせなら最後まで耐えろ(パート2)」と言い放ったフジュン。「その台詞は禁句だ、お前が悪い」と言いいかけたところで、時すでに遅し。グニョンはサイズの合わないヒールをフジュンに投げつけたのだった。

 そして、超人気スターを怒らせたグニョンは会社を解雇。しかも、自宅の電気やガスが止まって生活できなくなる災難が続く。侮辱された上に仕事まで奪われたグニョンは、こうして無事にフジュンの“アンチ”となったのだ。

  

 出会いは最悪!とありきたりなスタートだけに、今後の意外な展開に期待したいところ。アンチになった理由が明らかになり、“だから”と“結婚した”の本当の意味が気になる。憎めないキャラクターのグニョンが、次は何をやらかすのか注目だ。

 

 

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