ヨシンの韓ドラと人生の語り場

韓国ドラマを1話ずつレビュー!さらなる楽しみをシェアしましょう!

『だから俺はアンチと結婚した』第3話 ハプニングが止まらないイ・グニョンの初勝利

  フジュンの威圧感に、その場では負け続きのグニョン。常にフジュンを思い出してはイラつき、とくダネを掴むべく記事を練る。誰よりも彼のことを考えているのは、ファンでもないアンチのグニョンかもしれない。

 

 『だから俺はアンチと結婚した』の番組出演を決めた二人。フジュンに負け続けていたグニョンは、第3話でやっと初勝利を挙げる。一方で、フジュンがスターであることを今更ながら実感するが、相変わらずのグニョンは立て続けに事件を起こす第3話となった。

※以下ネタバレあり。

 

グニョンの初勝利 

 フジュンの家に忍び込んでいたことがバレてしまったグニョン。とりあえず、お酒を飲みながら始まった二人の揚げ足取り合戦は、テンポが良過ぎてすでに番組の撮影が始まっているかのよう。翌朝、目覚めたフジュンはグニョンが浴槽で爆睡している状況を把握できずにいた。グニョンによれば、昨晩フジュンが許可したという。フジュンは記憶にないと言うが、回想シーンの中で「ここにいろ」と言ったセリフは、ドキッとするほどにキマっていた。

 最終的に、“ここで暮らしていると絶対に誰にも言わないこと”を条件に許しを得る。フジュンとの戦い(一方的な)で負けが続いていたグニョンは、初めてフジュンに勝利したといえよう。

 

フジュン とイニョンの関係 

 第2話ではイニョンの悪口を言う奴らにコーヒーをぶっかけ、再デビューの芽が出ないイニョンに「お前は価値のある人間だ」と声をかけるフジュンは、割り切っているのか、未練がましいのか、罪悪感があるのか、全部なのかはっきりしないが、イニョンのことがまだ好きなことだけはわかる。

 そして、ジェジュンはイニョンを盾にフジュンにいつも挑発している。“フジュンが捨てたものをジェジュンが拾う”関係の二人の闇は想像以上に深く、何があったのか気になるところ。この取り合いされているイニョンを演じるのはハン・ジアン。アイドル出身のような純情さと愛らしさがある俳優。『死体が消えた日』(2018)、『あの空に太陽が』(2016)など映画やドラマに出演しているが、日本ではあまり馴染がないため本作で彼女を知っていこう。

 

 遠い存在のフジュン

 プロデューサー、作家、フジュン、イニョンの4人でバラエティー番組『だから俺はアンチと結婚した』の奮起会が行われた。グニョンが、少し遠くにいるフジュンを見つめていると、そこに桃の花びらが舞い散る。目線の先にいる眩しいほど素敵な笑顔の男性は、世界を相手するスターであり、同じ空間にいるなんて夢ような話。グニョンは今までアンチフィルターを通してきたせいか、まるで初めてフジュンを見るような、ファンに落ちる一歩手前の表情をみせた。

 二次会でカラオケに移動すると、歌っているのはグニョンだけで、他の3人は仕事の話で盛り上がっている。素人のグニョンは番組ではヒロイン役ではあっても、世間から求められているわけではない。少し音痴な歌声と選曲のセンスが、その場の温度差を広げる。私たちが芸能人を違う世界の人と感じるように、グニョンにとっても桃の花びらが舞ってしまうほど、二人は全く別世界の人間ということなのだろう。

 そんな切ない気持ちも束の間。怖いものなしの酔っぱらいグニョンは、またまた全力でフジュンに歯向かっているから面白い。フジュンにおぶって家の中まで連れて行ってもらい、ブランケットまでかけてもらったのだから2勝目の快挙といってもいいだろう。今回の勝利の要因はそれだけではなく、フジュンがブランケットをかけながら、カラオケでひとり盛り上がるグニョンのことを思い出してクスッと笑ったこと。思い出し笑いは、気になる存在に昇格している証拠。二人の進展を急かすつもりはないが、こういった小出しの場面に想像を膨らませることが楽しい。また、グニョンの脱ぎ捨てた靴をブツブツ文句を言いつつ片付ける、世話焼きなフジュンの意外な一面も微笑ましかった。

 

ハプニング続きのはじまり

 ついに『だから俺はアンチと結婚した』の撮影が始まる。ドラマのオープニングのウェディングドレスとタキシード姿の見覚えのある二人だ。ドレスを着て登場したスヨン、いやグニョンは最高に可愛い。ライフル銃をフジュンに向けるアングルさえ可愛さが止まらない。こんなに可愛いが連発するアンチとフジュンが一緒に暮らすなんて、フィクションでよかった。この点はLINE漫画の方が、芸能人×一般人のリアルが感じられるかもしれない。

 順調に進んだ撮影だが、ハプニングが起きる。二人がオープンカーに乗るシーンで、グニョンはペーパードライバーにも関わらず運転することに。アクセルとブレーキを間違え、車はギリギリ止まったがロケ車に接触。二人は怪我はなかったものの、車が止まった勢いでキスしてしまうさらなる接触事故が起こり、こちらの方が被害が大きい模様。なかったことにしたくても、カメラに映っていた可能性があり気まずさが続く。

 さて、イ・グニョンがこのまま終わらせるわけがない。撮影スタッフがフジュンの家に戻ってきてベランダに隠れたグニョンは、ベランダの鍵を閉められ閉じ込められてしまったのだ。フジュンのマネージャーに電話して助けを求める。

 

  接触事故後、個人インタビュー取材でグニョンは、出演を決めた理由を「やりかけの宿題を先延ばしにして気持ち悪い感じがして」と話していた。この宿題をどのように終わらせていくのか見守りたい。

 



 

 

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『だから俺はアンチと結婚した』第2話 恋人より友達より他人

 

 時に恋人や友達より、赤の他人の方が頼りになるのかもしれない。たとえそれが、アンチだとしても。

 

 超人気スターのフジュンのせいで職を失い、電気もガスも止まった自宅で生活できなくなったグニョンは友達ミジョンの家に転がりこむ。彼へのアンチの思いが止まらず、被害者として闘うことを決意し『だから俺はアンチと結婚した』第2話を迎えた。

※以下ネタバレあり。

 

 フジュンとジェジュンの関係

 フジュンとイニョン、JJ(ジェジュン)は同じ事務所の練習生だった。整理すると、事務所の社長はイニョンとジェジュンを切り捨て、フジュンをスターにさせた。その後、財閥の息子であるジェジュンは、財閥グループ傘下の芸能事務所の代表となり、イニョンはジェジュンの事務所に所属。フジュンに攻撃的な態度を取る理由は、フジュンにすべてを奪われたと思っているから。

 また、グニョンに目をつけたジェジュン。フジュンに投げつけた、あのサイズの合わない元彼からもらったヒールをジェジュン拾ったまま持っているのは、もう一度フジュンに投げ飛ばす機会を伺っているかのようにみえる。どうやら、グニョンを利用しようと企んでいるようだ。

 ジェジュンを演じるチェ・チャンソンは、アイドルグループ2PMに所属。少女時代のスヨンと同じく、KPOPを盛り上げてきたアイドルたちの多方面での活躍は喜ばしい。チャンソンも俳優業に力を入れており、多数のドラマと映画にも出演。『キム秘書は、一体なぜ?』(2018)では、表向きはイケメン優秀社員、裏はドケチの節約家の二面性を持ったキャラクターを愉快に演じる。今回はアイドル、社長、ライバル役を背負い、眉や額にシワを寄せる威圧感バチバチな演技が印象的。

 

アンチの肩を抱き寄せるスターの裏側

 フジュンの事務所の前にいるファンに混ざり、グニョンはひとりアンチ活動をしていた。ファンから反感をかったグニョンが袋叩きにされていると、フジュンが思いも寄らない行動に出る。グニョンの肩を抱き寄せ、「いつか彼女も僕のファンにしてみせます」と“アンチにも神対応するフジュン”を世間にアピール。もちろん、本心ではなくビジネス対応だ。

 二人きりになると、フジュンはグニョンが書いたアンチ記事を投げつけ、ビビったグニョンはあっさり退散。ここで状況を振り返ると、フジュンの立場が少し理解できる。フジュンから受けた態度を本性だと主張する行為は、グニョンも彼を侮辱していると言える。そして、会社をクビになったのはフジュンがきっかけに過ぎず、自分の能力にも原因があり、不幸になった理由を“フジュンのせい”にしていることをグニョンは気づいていない。

 

 『だから俺はアンチと結婚した』理由

 フジュンのアンチに目をつけたテレビ局のプロデューサーは、『だから俺はアンチと結婚した』のバラエティー番組企画を打ち出す。コンンセプトは、スターとアンチが暮らすことで互いを理解し合い、最終的にひとつになれるのかというもの。ちなみに、実際に韓国で放送された、芸能人同士が仮想結婚し一緒に暮らすバラエティー番組『私たち結婚しました』にもチェ・テジュンはApinkユン・ボミとカップルとして出演していた。恥ずかしくなるほどの胸キュンシーンが売りだったが、こちらはそうもいかない。だが、嫌ってる同士の結婚生活というありえないシチュエーションで結末が読めない点では、確かに面白そうでもある。

 それはさておき、二人とも一度は出演を断るが、グニョンは出演料のためという切実さから、フジュンはイニョンを守るためとそれぞれに理由があり出演することを決めた。

 

持つべきものは赤の他人?!

 さて、番組出演は決まったものの、暮らす場所を確保しなければならないグニョン。彼氏と同棲を始めたミンジュは、3人で暮らそうと言ってくれたが、幸せそうな2人の空間を邪魔するわけにはいかない。一旦戻った自宅のマンションは、母親によって解約。公共の場ではアンチとして顔が知られ、身動きできずに途方に暮れる。それでも、心配してくれるミジョンに「先輩の家に泊めてもらうから心配しないで」と嘘をつく。親友といえど、何もかも頼れるわけではない。

 そして、グニョンが選んだ行き先は、なんとフジュンの家。実は『だから俺はアンチと結婚した』の撮影がそこで行われることになっていた。フジュンの家といっても、事務所名義で借りているフジュンが自由に使っていい家。ほぼ空き家であること、鍵の暗証番号を聞いていたグニョンは、少しだけお世話になろう作戦に出る。極限に追いやられても、親しい人にはとくに迷惑をかけたくないのが人間の性。グニョンがフジュンの家を選んだように、他人くらいの関係の方が、気楽に頼れることもある。ただ、プライドは捨てなければならないが。

 幸いにもフジュンは不在でリビングでくつろいでいると、鍵を開ける音がする。とびきりまずい顔したグニョンは忍足で隠れようとするが、フジュンに見つかってしまうのだった。

 フジュンとグニョンが一緒に暮らす理由が明らかになり、いよいよ二人のドラマの幕開けである。

 

 

 

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『だから俺はアンチと結婚した』第1話 一般人が超人気スターのアンチになるまで

 

 超人気スターと一般人の結婚はリアリティに欠けるが、超人気スターのせいで会社をクビになったら、そりゃアンチになるよなって話。

 

 『だから俺はアンチと結婚した』(全16話)はAmazon Prime Videoプライム会員向けに4月30日より、毎週金曜日と土曜日18時から1話ずつ配信。ドラマとウェブ漫画の企画が同時スタートし、LINE漫画でも作品を楽しむことができる。 

※以下ネタバレあり。

 

チェ・テジュンとフジュンは人気スター

 超人気ソロシンガーのフジュン役を演じるチェ・テジュンは、2001年に子役でドラマデビュー。芸能生活から一度離れたものの、高校生で再始動する。2014年には『母の庭園』(2014)でMBC演技大賞新人賞を受賞し、その後もアジアアーティストアワードニューウェーブ賞(2107)や『ミッシングナイン』(2017)でMBC演技大賞最優秀キャラクター賞などの受賞歴がある実力派。Netflixで配信中の『恋のトリセツ〜フンナムとジョンウムの恋愛日誌〜』(2018)では2番手の幼なじみを演じており、本作とは違うチェ・テジュンが楽しめる。

 物語の中でも、ビッグアーティストのフジュン。第1話では、彼に何かありそうな伏線だらけ。誕生日は偽っているし、母親と思われる人は一度も電話に出ないし、父親のことを探しているようだし、昔好きだった人は友達の彼女?になっている。何か辛い過去が隠されていそう。

 

いい子を演じたグニョンからの教訓

 雑誌社ワンダーウーマンで記者として働くイ・グニョンは、我らが少女時代のチェ・スヨンが演じる。『それでも僕らは走り続ける』(2020)でエージェント事務所の社長を演じ、カン・テオ演じた美術大生とのサブカップルが注目。最近は女優チェ・スヨンとしての活躍が目覚ましい。

 グニョンは必死に働くも、雑用係のポジションから抜け出せず、チーム長の“毒舌ムニ”から怒られる日々を過ごす。唯一の癒しが、吉沢亮を少し大人の紳士にしたような彼氏の存在。ある日、彼からカップルパーティーに誘われ、万全の準備と最高潮のテンションで彼のもとへ向かったグニョンだが、彼が男性と抱き合ってキスしているところに鉢合わせてしまう。

 彼の浮気現場を発見した時、自分だったらどんな反応をするだろう。その場から立ち去るのか、ビンタ一発喰らわせるなんてドラマの世界。グニョンは怒りをぶつける自分を想像するが、全く関係のない言葉しか出てこない。どんなに事前の準備しても、相手に100%伝えることは出来ないのに、突然の出来事にまともな行動をとれる方が異常なのかもしれない。

 追いかけてきた彼に、グニョンが感情的になると「君は我慢強いじゃないか、最後まで耐えてこそいい人だ」と言われる始末。いい子を演じ続けた結果、傷つくのは自分だとリトマス試験紙(女を好きになれるかもしれない実験台)にされたグニョンが教えてくれたので教訓にしたい。

 彼を喜ばせたくて買ったドレスとカバン、綺麗な彼女でいたくて行ったエステ。皮肉なことに、彼がプレゼントしてくれたヒールはサイズが合っていなかった。今日は悲劇のヒロインになって、泣きまくるしか発散方法が見つからない。そこに酒とつまみと話を聞いてくれる友達がいれば、とりあえずその日は乗り越えられる。その日だけでも......。

 

最悪な二人の出会い

 フジュンが参加するパーティーの取材に行くことになったグニョンは、元彼に貰ったサイズの合わないヒールを履き、彼のために買ったドレスを身に付けて登場する。彼の前で言いたいことも言えなかった彼女が、こうやって図太く強くなっていくのだから、失恋は無駄なものとは言えない。

 会場に着いたグニョンは、出来心でフジュンが乗る車に近づくと、急に車のドアが開く。すると、足元がおぼつかないグニョンはバランスを崩し、フジュンが腕を掴んで「大丈夫ですか?気づかなくて」と優しく声をかけた。ラブストーリーの始まりと匂わせるBGMが流れ、フジュンの第一印象は「いい人そう」で決まった。

 ところで、人気漫画『NANA』に出てくる幸子がわざと合わない靴を履いて好きな男の気を引いていたが、サイズの合わない靴は“気を引く”点で、大変有効らしい。

 さて、ラブストーリーが始まる匂わせは、どうやら違ったらしい。フジュンが元恋人と一緒にいる写真をグニョンに撮られたと勘違いすると、グニョンが持っていたカメラを投げ飛ばし壊してしまった。続いて、酔っ払っていたグニョンは我慢していた吐き気に耐えきれず、フジュンの足元でジ・エンド。

 一応は謝まるグニョンに対し、全く謝まる気のないフジュン。その態度に耐えて耐えてついに爆発したグニョンに「どうせなら最後まで耐えろ(パート2)」と言い放ったフジュン。「その台詞は禁句だ、お前が悪い」と言いいかけたところで、時すでに遅し。グニョンはサイズの合わないヒールをフジュンに投げつけたのだった。

 そして、超人気スターを怒らせたグニョンは会社を解雇。しかも、自宅の電気やガスが止まって生活できなくなる災難が続く。侮辱された上に仕事まで奪われたグニョンは、こうして無事にフジュンの“アンチ”となったのだ。

  

 出会いは最悪!とありきたりなスタートだけに、今後の意外な展開に期待したいところ。アンチになった理由が明らかになり、“だから”と“結婚した”の本当の意味が気になる。憎めないキャラクターのグニョンが、次は何をやらかすのか注目だ。

 

 

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